天国ってどんなとこだと思う?
天国、と聞くと何をイメージするだろうか。
ためしにGoogle画像検索してみたら、圧倒的に青空が含まれる画像が出てきた。快晴は少なく、雲のうつっているものが多い。
私はクリスチャンではなく、聖書にもあかるくないので教義的な天国について無知であるけれど、天国という言葉からイメージするものはいくつかある。
浅いプール。レースのカーテン。不自然なほど真っ白な団地。遊具だけがぽつねんとある空地。ごく薄いピンクと水色。自分で書き出していても意味がわからない。それが好きだとかそこが天国のような場所だとか思っているわけではないけれど、頭に思い浮かぶ。
そして、もっとも強く連想するのは、真っ白な空間と、細く長い、どこまでも続く上りのエスカレーターである。
ただ、スーッと、淀みなくゆっくり進んでいく巨大なエスカレーター。
天国と聞くとエスカレーターを連想する。数年前、駅の細いエスカレーターにじっと立って、上へと運ばれているのはわかるけれど白い壁以外なんにも見えず、細いがゆえに前に立つ人で先もよく見えなかったとき、天国ってこんなかんじなのかな、と思ったことがはじまりだった気がする。ぎゅっと並んで立っている人が各々の行き先のことを考えているかスマホを見ているだろうとき、私だけが多分天国のことを考えている。そう思うとおかしかった。
けれど、天国とエスカレーターが結び付いているのには多分原因がある。なにが原因だろうとちょっと探せばすぐ見つかった。トムとジェリーだ。
トムとジェリーの、『天国と地獄』。8分間の短編アニメだ。
トムが死んでしまい天国行きの列車に乗りたがるが、いじめてきたジェリーの署名がないと天国に行けない。トムはあの手この手でジェリーに署名させようとするけれどうまくいかず、結局地獄に落ちてしまう、と思いきやすべては夢で、トムは喜びジェリーにキスをしておしまい。
多分幼少期にこれを見て、無意識に覚えていたのだろう。死んでしまったトムは金色にひかるエスカレーターに乗り、高く運ばれていく。
エスカレーターは完全にここからきている。気がついて笑ってしまった。なるほど、ならきっと私の地獄の入り口では、ライオンが迫力たっぷりに吠えている。
ではアニメーションを作った人は、なにから着想を得て天国までの道のりをエスカレーターで描いたのだろうか。そうやって辿っていくと、いつかは同じものに辿り着くのかもしれない。それは多分聖書であったり、絵画であったり。ではその前は?
ゼロから天国のイメージを作り出した人って、いるのだろうか。やっぱり神の天啓とかそういうのなのか。果てしなくてちょっと怖くなってしまった。
多分人には人の天国がある。
その多くがフィクションのイメージからできているのだろう。人によって触れるジャンルが違い、摂取するイメージが違うから、部分ごとにキメラのように組み合わさり、その人だけの天国がうまれる。
乳酸菌みたいな言い方しちゃったけど、完全に自分からだけ生まれたイメージの天国はあるのだろうか。ないだろうな。
私はどちらかと聞かれれば唯物論者寄りであり、霊魂を現実に信じていない。輪廻転生も、幽霊も、物語として楽しみはすれど、信じてはいない。人は死んだらそこでおしまいだと思っている。というか、そうであってほしい。自分の葬式はちょっと見たいけど。
そしてその状態で、なにも知らなくても持つイメージなんてあり得ないと思う。服を着ない民族がポケットの概念を理解できないようなもので。ちょっと違うかな。まあいいや。
ほんの二時間と半分、私の部屋はライブ会場だった
UNISON SQUARE GARDENの話です。
はじめて配信ライブというものを見た。ユニゾンの試みとしては二回目なのだけど、一回目はチケットを買わなかった。普通にうっかりバイトを入れたから。
あと所詮映像だろという気持ちになったことも事実である。
初回の配信ライブはなんと視聴者投票で1~30位の中からセトリを組むという内容だったらしい。そして第二回にあたる今回、31~70位の中からの選曲だった。なにその微妙な順位。セトリ予想が全然できない。
でもまあ一度くらいは体感して、それでも夢中になれなかったら無関心でいられるし、と悩みに悩んでチケットを買った。auIDに翻弄されているうちに日付が変わってしまったので当日ギリギリに当日券を買った。いしきがひくいファンなので許されたい。
でもまあ見るからには楽しみたい。一切捗らなかった部屋の掃除を自分でも驚くべきスピードで済ませた。久しぶりに露出した机の表面を拭いたら埃だらけで引いた。
折角家にいるのだからお酒でもお供にしたかったが、生憎痛み止めが必須の体なのでやめた。軟弱。
19時から入場可能だったのでとりあえずパソコン画面を繋いでおいて、バンドTシャツを選んだり髪をまとめたりアクセサリをつけたり、化粧はしなかったけど一応眉を整えたりした。気合いの問題である。
残り数分になると猛烈に緊張してきた。自室で座って待っているのに、映像でもどきどきするもんだなあ、と新鮮だった。
で、画面がカメラに変わる。ユニゾンが登場するときの、いつものあの音楽が流れる。あれを聞くと、ああライブがはじまる、と思う。出てくる。生きた人間が私の好きな音楽を生み出していると実感するあの瞬間が好きだ。
デジタルの時計がうつった。2分遅れのスタート。
斎藤宏介がエフェクターを踏んだ。音が止まる。
はじまった。
びっくりした。なんだこれ。全然ライブじゃない。
通常ではありえない角度のカメラワーク、近い距離感で三人が向かい合って一斉に音を出す。
そこに客席はなかった。ただただ、楽しそうだった。
音量をいつも動画を見るときくらいにおさめていたのをすぐに後悔して、二曲目のときくらい(MIDNIGHT JANGLE→fake town babyだとは!とっくに第一回で消化したと思っていた)に慌てて上げた。耳がギリギリ痛いかもくらいまで上げて、部屋の電気も慌てて消して、モニター以外の情報を遮断して、そこでようやく私は自覚した。
これはライブだ。
入り込めないかもとか、映像なんてと思っていたのが馬鹿らしくなるくらい素直にそう思えた。
音とびだけはちょっと気になったけど、部屋を暗くしたからか曲を楽しむのに邪魔な自意識はかなり薄れ、あとはもう時間を忘れて楽しむだけだと思った。
個人的に好きだったのは、というか期待してたけど本当に来ると思ってなかったのはlike coffeeのおまじない。イントロが響いた瞬間斎藤宏介がどうだ!という顔をして見えた。え、私の反応見えてる?と焦ってしまうくらい、どんぴしゃで、テンションあがった。ああきっといつものライブみたいに友人が隣にいたら、ここで目を見合せて笑う。これはどうでもいいことだけれど、サイダーロードが私の一番はじめに聞いたユニゾンのアルバムで、一番好きなアルバムだ。
23:25の、「少しあっては雨ふらし」のところで何故か絶対に思い出すのは高校へ行く途中の乗り換えの改札だ。毎回そこで聞いていたわけでもないと思うんだけど、やけに心に残っている。そうだ、高校生のときはっきりユニゾンを好きになった。あの登下校で一番曲を聞いていたかもしれない。
キャンドルの演出、えっ本物の火だ!というところにやけに注目してしまった。こういうのは配信ならではだなあ。
あと座った状態でチャイルドフットスーパーノヴァくると思わないでしょ、ホイッスルかわいかった。田淵は妙に弾きにくそうにみえたけど絶対大人しく座ってるからじゃん……と思った。暴れまわるより大人しいほうがなんか弾きづらそうと感じちゃうのはなんでだ。
crazy birthdayは大好きな曲なので本当に嬉しかった。マイクぶっ倒して床で転げ回る田淵に笑った。あいもかわらずめちゃくちゃだ。曲名に違わずクレイジー。せーのっ、ばかーーー!、やっぱライブハウスでなんも気にせず叫びたかったな。近所迷惑と親の目が怖いお年頃である。
未完成デイジー、はじめて聞いたときは全然ピンとこなかったけど、じっくり歌詞を感じるたび、なんて愛の歌だ、と思う。ラスサビ、「君が先に死んじゃっても それでも僕が守るよ 君が好きなこの世界を 最後まで愛せるように」 こんな愛ばっかりの歌ないよ 絶対とか運命とかドラマチックなもので盛り上がったりしないのに、世界ごと全部を抱き締めているような歌詞だ…結婚するならこの価値観の人とがいい、きっと幸せになれるから……
オーケストラを見に行こうで暗転、本編終わる演出最高の幕切れだった。潔く、清々しく、気持ちいい。
他にもいっぱい好きな曲、好きなところはあるけど、言い切れないしうまく言える自信もないのでこのへんで。なによりもこのバンドのスタンスが好きだと思える。
基本的に、私はバンドの人間自体を好ましく思うことはあまりない。曲が好きだからある程度のクオリティでそれを生み出し続けるバンドを信用している、くらいの距離感でいる。私生活には興味がないし、信条をMCで熱く語られると冷めてしまう。私が曲から受け取ったものがすべてだ。言葉にして補足するくらいなら音楽に頼るな。自伝でも書いてろ。これは暴言です。すみません。
とにかく自分でもどうかと思うそういうひねくれた部分を、UNISON SQUARE GARDENはいとも容易く捩じ伏せてしまう。
だって今回のライブぜんぶで喋った台詞ときたら、
UNISON SQUARE GARDENです!
今回もMCはなしっ!
オマケ。
これだけだ。まじでこれだけ。暴走列車かってくらい曲が続く。二時間半、ほぼノンストップ。たぶん今回は18曲、プラスドラムソロやらセッションやら。慣れない配信、それも色々大変なこの状況で、なんにも触れずただ音楽を届けてくれた。
ああもう、こういうとこが痺れるくらい好き。
全部の情報を追い求め、なにかを常に好きでいることは私にはできない。向いていないのだと思う。
でも、これから先一生とは言わないけれど、それを目の当たりにするたび、私はユニゾンを好きになってしまったのだと心から感じる。多分はじめてライブに行ったあの日から。
配信カメラは至近距離から、これまでにない画角で三人を見せてくれた。水を飲み、汗を拭くだけでドキュメンタリー映画みたいにかっこよかった。最高の舞台だったよ。
でもやっぱり、実際に会いに行って、彼らも会いに来てくれる、生のライブがいちばんだとも強く思った。あの、はじまる前は周囲にいっぱいいる人間がひたすら邪魔で暑くて疎ましいのに、終わったら同じ体験をした同士たちよ……、とうっすらした親近感を抱いてしまうあの感じ(私だけかもしれん)も恋しいし、グッズ列で直前まで迷いたいし、やっぱり会いに行きたいよ。回線なんて気にしたくないし音がとぶのも集中できない。同じ空気を吸わせてくれ。頼む。
でもまあ今ほんとに会場で同じ空気なんて吸ったら大問題だしね。これも新しい形なんだなと思うし、配信にしかないよさもあったし、存分に、予想以上に楽しめました。
いつになるか不透明でも、一日も早く、なにも心配せずライブに行ける日が来ることを願ってやみません。
悪魔となら、変えられる未来がある。-メギド72をやってくれー
最初に断っておくが、私はあまりゲームが得意ではない。
据え置きゲームには縁がないし、ソシャゲも続かない。ダメージ計算などもあまりしないし周回が必要になってくる育成も苦手。やりこむことが苦手だと言ってもいい。
そんな私が今熱を上げているソシャゲ、世界を救うRPGことメギド72について語らせてほしい。
本当は公式がこれぞ!みたいなCMを打ってくれていれば はいこれ!こんなかんじ!やってね! って差し出せたけど、メギド公式は広告下手で知られていて(え?)、広報エアプなんか?というくらいピンと来ないので……。
とりあえずどんなゲーム? ジャンルは?
は???????
もうすでにモノ申したい。世界救済RPG、これはいい。わかる。
フォトンドリヴンて何?
まさかのジャンルがプレイヤーにしか通じない。宣伝する気あんのか?
イメージが何もわかないだろうから簡単に解説すると、フォトンというのはゲーム中に出てくる用語で、作中での生命の源、エネルギーである。これに基づいて(=ドリヴン)戦闘を行うゲームシステムになっている。
簡単なあらすじ、とか設定。
人々の暮らす世界はヴァイガルドと呼ばれ、人間に当たるのはヴィータと呼ばれる種族。ここではおとぎ話のように語られてきた別の世界がある。悪魔(メギド)の国、メギドラルと天使(ハルマ)の国、ハルマニア。この二つは対立関係にあり、天使と悪魔の戦争、ハルマゲドンが起これば世界は終わるという伝承がある。
主人公の少年は、幻獣に住んでいた村を襲われたった一人生き残る。彼を救ったのはメギドを名乗る悪魔たち。
少年は自分がメギドを召喚し、使役することができる「ソロモンの指輪」の適合者であること、彼らがただのメギドではなくメギドラルから追放されヴィータに生まれ変わった「追放メギド」であること、幻獣は異世界メギドラルからの侵略が原因であること、そしてメギドラルの作戦を止めなければ世界が滅ぶことを知らされる。
そして世界を救うべく、少年は魔を統べるもの、ソロモンとして旅に出ることを決意する。
――というのが前提。詳しくはメインストーリーを読んでください。
ということで、仲間になって戦ってくれるのは主に追放メギド、メギドラルから何らかの理由で追放され、ヴィータとして生まれ変わってヴァイガルドに転生したものたちだ。
まあ前世ものってことですね。メギドによって様々なパターンがありますがある日突然記憶が蘇り、「俺には悪魔だった前世が……」ってやつ。
これだけ書くと愉快な中二病なのですが、実際追放メギドの中には、自分は頭がおかしいのでは、と周囲から孤立し孤独に苛まれていた子もいることを考えるとなかなか重たい設定ではある。
彼らは基本的にメギドの力を使うことはできず、主人公の持つソロモンの指輪によって前述のフォトンを割り振られ、ようやく力を発揮できる。
プレイヤーは一応ソロモン視点で物語を進めていく、fgoでいうところのマスターだが、彼はめちゃくちゃ自我があるしガンガン発言する。
御覧の通り褐色刺青じゃらじゃらアクセサリー半裸男というものすごくチャラそうな、というか悪役みたいな見た目をしているのですが、めちゃくちゃいいこだし優しいし仲間思いだし、とにかくいいこです。
ここぞというときには味方も驚くような洞察力を発揮し、展開に絶望しかけたプレイヤーを力強く救ってくれる。
勝算がある! この決め台詞とともにBGMが変わると本当にアツい。
ストーリーの重厚さやキャラ固有のキャラストの充実度はかなり高いと思う。
最初よりある程度進んでからどんどん面白くなっていくので、1、2章で打ち切りの少年漫画?と思ってももうちょっと進めてほしい。お願い。
最新の配信分なんて阿鼻叫喚だよ。なんとなくわかった気になってたメギドたちについて、根幹から揺るがされちまう……世界救済RPGをやっていたはずがいつからCoCをやっていたんだ? SANチェックです。
この衝撃を一緒に味わってほしいんだ。気づいたらシナリオに引き込まれていると思うので、とりあえずソロモンがタイトル回収してメギド72って言うとこまで読んで。お願い。
世界観や設定は細部に至るまで作りこまれているのがメギドの日企画の公式質問箱の内容などからわかる。やってないとなんのこっちゃかもしれないけど興味があればぜひ見てほしい。
戦闘と攻略難易度について
戦闘のシステムとかについてはたぶん実践が一番だと思うので省略します! 説明が面倒になったともいう。言われても頭に入んないよね~。
結構複雑で戦略性が必要になってきます。
とはいえ基本高火力キャラを主砲に据えてバフ掛けたり回復したり盾役で庇ったりしつつ殴れば大抵なんとかなる。
と、思ってサクサク進めているときにぶち当たる壁の高さと言ったら!
今まで通じていた攻撃が通じない、ワンパンで沈められる、筆舌に尽くしがたい絶望感。なかでもとあるボスはほとんどのソロモンが絶望を突き付けられたといっても過言ではないのでは?というくらいの難易度。はい某カエルちゃんですね。
私は一応今8章1節(配信されているとこ全部)クリア済みですが、あれより勝てるのか……?と不安になってスマホをぶん投げた敵はいない。
育成あんましてなくて推奨レベルより低かったからかもしれないけど。今当時のスクショ確認したら全員星4だった(MAXは星6で、0.5刻みで上がっていく)。逆になんで勝てたの?
メギドでは2、3回敗北することなんて負けの内に入らない。10回、下手すれば何十回。戦術を組み、パーティーを入れ替え、勝ち筋を探って繰り返しチャレンジして、勝てた時の驚きと爽快感は忘れられない。スクショを取る手が震えた。
手を変え品を変え、メギドは新鮮な絶望を提供してくれる。それにどうやって勝てばいいかを探っていったり、時には先輩ソロモンに助言を求めたり。そのソシャゲらしからぬ難易度と戦略性もメギド72の魅力だと思う。
キャラクターとガチャについて
さて、戦略となればやっぱりキャラの話をしなくてはならない。
なんとメギド72、現時点で軽く100人を超えるキャラがいるのだが、
レアリティ、ありません。
みんな特別なオンリーワン。そういうことだよね。
公式も「一番強いキャラクターはいない」と明言している。使う戦略によってMVPが変わるのがメギドで、彼らのスキルは千差万別。
「最も攻撃力が高い」という言い方くらいならできるけど、好きな子を使いたい、その感情に任せてパーティーを組めばごり押せる。
オーブ(装備品的な…攻撃や回復など様々で、つけるだけで底上げをしてくれる。こっちはレアリティあります)によって強化することもできるし、マスエフェクトというリーダーに設定したとき(クラスやスタイルが合致していれば)他者に与える効果などもあり、立ってるだけで仕事するメギドも多い。
あと初期メンバーの強さがやばい。ちなみにレアリティがないせいか、イベントでの配布で手に入れることができるメギドもとんでもなかったりする。
とにかく、物語が進んでも主力として前線でスタメンを張れる強さ。序盤にストーリー加入してくれる息子系ドレッド剣闘士とシスターっぽい正義お姉さんは絶対に優先して育てるべき。いつもお世話になっております。
まあ多キャラレアリティなしということはメギドであるというだけでレアということで、ガチャの排出率はお察し(笑)だが、月末にサバト(シンデレラフェスみたいなことです)があってメギド排出率が二倍になる。この時期に十連回せばひとりは来るのでそんなに悪くないんじゃないかな~という印象です。
それ以外の時期はピックアップでもあてにならないので、ダメ元か課金前提じゃないとおすすめできない。
時期がよければ定期的に指名チケット付きで石売ってるから三千円くらいでお目当て引けるよ。良心的だね。
周回しなきゃダメ? 育成は?
良心で思い出した、みなさまソシャゲで、というか据え置きでも、周回っていやですよね。
苦痛ですよね。地獄ですよね。私にとっては本当に……ね。それが嫌で某ソシャゲ辞めましたね。
好きな子を強くするための作業ゲー、くそじゃない? 時間全部かけて虚無をこなしてまでやりこみたいわけじゃないんだよねこっちは。最低限のキャラのレベル上げくらい楽にさせてほしい。
労力こそ至高みたいなの古いよ。効率化していこ?
そろそろ殴られそうなので端的に言うと、この気持ち、メギド72なら救ってくれます。
攻略チケット。
これ、これがなかったら多分メギドとっくにやめてます。
一度全員生存でクリアしたメインストーリーのステージは、チケットとスタミナを消費することで周回できるのだ。素材がおちない、足りない、なら該当ステージでチケットを消費し続ければいい。ね、簡単でしょ?
一部例外はあるが、大抵のキャラはこれで育成できる。もし時間をかけて作業ゲーをこなして育てるのが愛情に直結すると考えてやりこみを好む方なら、これは逆にマイナスポイントかもしれない。
初期は素材の泥率がよくないのとちょっと進まないと手にすることができない素材もあったりするから手に入れた瞬間最終進化できます!とは言えないけど。でも序盤はそんなにレベル高くなくても大丈夫なので気にならないと思う。
そしてこの攻略チケットのおかげでスタミナ満タンでも時間がないときはさくっとチケット使って、ほしい素材が泥するステージを周回して済ませることができる。
私にとってはかなり画期的だった。戦略を練ってトライ&エラーで、時間と頭を使って強い敵を倒すのと、隙間時間にサクッと素材集めして育成を進めるのが両立するのだ。
これは正直ソシャゲ全般に適用していい制度では? メギド72、この世界も変えてくれ。
ちなみにレベル上げは経験値制なので周回するときに育成したいメギドを集めて組んだパーティーを使えば勝手に上がります。サイコー。
BGMについて
メギドはBGMにもかなり力が入っています。
なんと生演奏、宗教曲っぽかったりメインテーマのイカすアレンジだったり、とにかく聞いているだけでテンションの上がる名曲がたくさん。Youtubeに公式の弾いてみたがあるので、曲だけでも聞いてみてほしい。
公式のこのページにまとまっています。コロナに対応してリモート演奏とかもある。純粋にいい曲だし楽しそうですてきです。
戦闘を熱く盛り上げてくれるし、イベントごとに固有のBGMがあったりするし、なんなら声優が歌うトンチキソングも頻繁に生まれる。
最近ではメギドの日記念の72時間限定イベントで、ヴィータから見れば永遠に近い時を生きる男たちから今はもう亡き友へ、そして今を駆けるソロモンへの巨大感情を歌った曲が流れた。気狂うわ!!!!!!!!!!!
あとこのメギドの日、7月2日なのですがまったくアニバーサリーでもなんでもない。
72だからメギドの日だね!ていう、8月19日はハイキューの日だねみたいなそんなノリのはずなのですが、誰よりもノリにノッた公式がメギドミー賞なる自前の賞をはじめて、プレイヤーから投票を募り当日の生放送ではなぜか具体的な予告なしにフルボイス3Dモデルを活用してアニメーションをつけての授賞式を盛大に行っていました。
え? まじで何? 本当にどういうこと?
モーションの変態加減について
さて、モーションの話をしよう。
メギド72の戦闘は3Dモデルがぬるぬる動く。
行動手段としてアタック、スキル、覚醒スキル、奥義などがあるが、それぞれ違ったモーションが用意されている。
さらに勝利モーション(敵にとどめを刺したメギドがするモーション)もある。ぜ~んぶ「そのキャラクターらしさ」をしっかり考えて作りこまれている。
ユニークだったり、かわいかったり、かっこよかったり。個性豊かなキャラクターが生き生きと戦ってくれる。
それだけでも十分すごいんだけど、そのモーションの芸の細かさがいちいちやばい。確実にモーション班は変態。
詳しくはTwitterで #細かすぎて伝わらないメギド72の好きなモーション選手権 というタグがあるので、それで検索してみるとよくわかると思う。
私はMMDも通ってないし3Dについてなにもわからないのでなんかやばそう、と思うだけなのだが、物理演算とかわかる人が見たらやばいんじゃなかろうか。
あとアジトではこうやってメギドがランダムに配置されていたりするのだけど、何回もつつくと金ボイスが聞ける。
メギドによってデレ具合も対応も様々なんだけど意外なメギドから優しくされるときゅんとしてしまうし、逆にやっぱ安易にデレんのかな~と思った女キャラに冷たくあしらわれてもちょっとぐっとくる。
そして戦闘時と若干モデルが違う!
この通り、戦闘時は手放さない帽子を脱いでいたり武器を手放していたりと、ちょっとくつろいだ格好をしてくれるようだ。Bサタナキア(長髪高身長エルフ耳おにいさん)に関しては戦闘モーションがシュールすぎるのでそれどころではないかもだけど。
アジトは彼らの憩いの場なので当然と言えば当然なのだけど、そこ力入れるか!?って感じで毎度新鮮に驚いてしまう。
私の推しについて
先述の通りメギド72には72どころか100を余裕で越える個性豊かな仲間たちがおり、きっと誰かは好みに合う子がいると思う。
もしいなくても大丈夫、一緒にハードな戦いを乗り越えれば愛着も湧くというもの。長い戦いの途中、窮地を救ってくれたキャラクターを必ず好きになれる。はず。
こういうのはやっぱり自分の錯乱具合を見せるのが一番手っ取り早いと思うのでちょっとだけ私の推しについて語らせてください。
プレイヤー以外には何言ってるかわかんないと思うけどもう配慮なく書くので読み飛ばしてくれていい。あとオタク特有の誇張表現が散見されるが聞き流してくれ。
祖14、レラジェ。
彼女は18歳の狩人で、スタイルはカウンター、クラスはスナイパー。使う武器は巨大な弓。特性はビーストハンター、獣系モンスター特攻で2倍のダメージが出せる。
カウンターという高い防御力で反撃を狙うスタイルでありながら紙防御なのだが、火力はなかなか。現状7位とかだっけ? 覚醒ゲージは破格の3。ほぼラッシュ。
もう何度助けられたかわからない、大好きな相棒だ。一番最初に星6にした。
攻撃を食らうたびに奥義レベルも上がる。最終的には敵単体に5.7倍ダメージ。もともと高い攻撃力にこの高倍率、つ、つよ……。
この! 脚! アップになるカメラワークのときどきどきする。
踵を持ち上げた時のヒールと足の甲を反ってる感じもきれいで好き。あとおへそもかわいくて、なまじエロを強調していない健康的な魅力があるだけに えっこれ……えっちじゃないですか……?ってそわそわしちゃう。
フードをいったん深く被ったからカメレオンが一瞬ずり落ちそうになって慌てて一歩戻るんですよね。細か……ほかにも絶対不要な動きを嬉々としていれてくるメギドくん、信頼できる。
彼女はメギドには珍しくヴィータ体のイメージとメギド体があまり変わらない。
美少女から繰り出されるグロテスクなメギド体とか正体不明の骨仮面から飛び出す美女ケンタウロス風メギド体とか、ギャップがあるのもとってもいいんだけど、この正直意外性のないストレートなかんじ、メギドでは逆に意外。勇ましくて好き。
あ、メギド体っていうのは悪魔本来の姿です。燃費が悪くフォトンを食うのでここぞというときにしか出せない。
ボス戦では高確率で即死無効なので即死はほぼおまけだけど、要するにかわいくてつよいのだ。わかりやすいアタッカーで、どんどん攻撃できるので運用の難易度は低め。
内面についてはリジェネイベがあったのでそこで掘り下げられているが私は新参モンモンなので間に合わず、まだできていない。ぐやじい。でも指名でとったのでR レラジェはいる。常設化まってるね……。
メインストーリーにはあんまり出てこないな、と思ってたら7章でしゃべるわ喋るわ。突然のヒロインムーブに心臓が止まった。言うに事欠いてソロモンをばーか、ばーか!と罵倒するレラジェ。かわいい……。
ちなみに私が落ちきっかけは勝利モーションだ。単発で引き当てた時にはへ~メギドがきたなあラッキーくらいの気持ちで、正直さして興味もなかったのだが、戦闘に出してみて勝利モーションと笑顔の可愛さに撃ち抜かれた。
て……天使? いいえ悪魔です。
無邪気な笑顔7,200,000,000点。かわいいね。後ろの髪がつんつん跳ねてることがここで判明します。かわいいね。
動いているのがすごく素敵なので動画で見てほしいけどレラジェだけの奥義と勝利モーションの動画なかったので諦めました。そのためだけに知らん人のTwitter引用するのもあれだし。
このためにスクショとっててはじめて気づいたけど、顔の横くらいの髪がフードから出てくるときちゃんと一瞬引っかかってから出てきてる……物理演算どうなってんのまじで……。
学パロだと制服の上にパーカー着てるタイプだな、と妄想してたらつい先日公式のカウントダウン絵で幻覚が現実になって叫んでしまった。私は具現化系だったのか?
【#メギドの日 まであと2日】
— ルネ@[公式]メギド72 (@megido72) 2020年6月30日
皆さま!デザイナーさんより公式ファンアートとメッセージが届きました🎨✨
「いつもプレイ頂きありがとうございます!10代のメギド達がもし学園に通っていたら…というイメージで描いてみました!今年も暑くなって参りましたが皆様ご自愛ください!」#メギド #メギド72 pic.twitter.com/lvdEo9OVBf
こんなの自我を失って、女友達で幼馴染のレラジェが距離感バグってるせいで青春を狂わされた悲しい男子高校生になっちゃうよ 勘弁してくれ
さいごに
なにはともあれ、メギド72たのしいよ、よければインストールしてみてね、という布教のための長文でした。
これだけ書いといて今更言うのもあれですが私はライト層で、けっこう気軽に楽しんでいるので軽い気持ちではじめてみてほしい。
当然ながら、本記事、ブログは公式とは完全に無関係ですのでご了承ください。
運営、がんばってせめて一つくらいは的を射たCMをつくってください。
ファミ通の特集はすごくよかったです。
まだまだ語り足りない感じがするけど、実際にやって体感してほしいなと思います。
一回言ったけど、とりあえずソロモンがメギド72って言うとこまでみてね。
ちなみに彼がタイトル回収するのは5章ラスト、冗談みたいにかっこいい尋常じゃなく強いでっかくて怖い女を仲間にしてからなので、がんばってください。
よろしくおねがいします。
ご清聴いただきありがとうございました。
私はまだ5000兆円を狙っている
お兄ちゃん、なんでネットミームってすぐ廃れてまうん? 私はインターネットお嬢様とずっと一緒にいたかったのに……。でもまあなんとなく気に食わないというか、ツボにはまらなかったネタもすぐ彼方へ消えていくから一長一短だね。
というのはさておき。クレジットカードの利用金額をみてぎょっとして、これが噂に聞く不正利用では…!?と思って明細見たら全部心当たりがある現象、体験した人は少なからずいると思うが、現金でも全然変わんねえなと思う。
一応お小遣い帳というか、月の収入に対していくら使ったかを大雑把にメモするのを昨年の夏終わり頃からはじめていて、今も面倒くさがりながらもやっているわけだが、なにも考えず書き出しては清算する時にがっくりと膝をついてしまう。
え? あれ? こんなはずでは…とスマホの電卓をタップする指が震える。バイトのレジあわせ時に全然金額が違うときと似た恐怖。腹の底が妙に冷え冷えとする。
大体私は数学は不得意でも算数は人並みにできたはずなのだが、なんだか金銭と物欲を秤にかけたこととなると不具合が出るらしい。
1000円の出費も10回続ければ10000円。塵も積もれば山となる、野口も積めば諭吉となる。その当たり前の計算がどうも頭から抜け落ちる。シンプルに外食と間食に金を注ぎすぎ。
外で茶を買わないとか多少歩こうと電車賃が安い行き方を模索するとか、それくらいのせせこましい節約はしているが、正直焼け石に水である。その努力は普通に居酒屋でのあと一品!であえなく相殺される。肉寿司おいしかったな~。酒を飲まないだけマシだと信じているけど。
節制しようと思えばできる、なにせ生まれてこのかた実家にパラサイト、モラトリアムにしがみついて生きているのだから。
でも節制を心掛けているときの精神状態は非常に不安定で卑屈、人の誘いにもあまり応じないし、百貨店の化粧品売り場をうろつくと目眩息切れ動悸に襲われる。救心を飲め。
物欲と財布の中身は反比例で表せるのではないかと最近しみじみ思う。手に入らないものは繰り返し頭に浮かび、蠱惑的に誘惑してくる。夜道のピザまんを我慢して素通りしたときに限ってすべての信号で引き返して走ろうかという思いが頭をよぎる。ちょっと手が届かないなと思った化粧品の名前で毎日何度も検索をかける。なんだか気持ち悪いな。ストーカーの素質があるかもしれない。
買いたい欲求が高まってもなにも買わないと決意する、この生活を一ヶ月ほど続けるとどうなるか。
だんだん気持ちよくなってくる。
待って、違う、マゾヒスティックな感情ではなくて、本当に気持ちよくなってくるから。大丈夫、怖くない、怖くない。
一度買わなくても充足感が得られればいいのではと買いたくて買えるけど買わなかったものと金額をメモってみたことがある。一目で我慢したことで節約できた金額がわかり達成感を得られるのではないかと思ったからだ。最初はよかった。お菓子とか、コーヒーとか。だんだんメモの概要欄に「お昼ご飯」の文字が並びはじめたので怖くなってやめた。それ以来節約による快感がやや怖い。
しかし消費社会はまわしてなんぼやろがい!!!! という熱い思いに急に支配され、手が届く範囲のものをとりあえず買う周期がある。
そういうときに、消費は楽しいな、と思う。仲のいい人と食事をするのも、奮発して高いものを自分のために買うのも、誰かへの贈り物を買ってラッピングをお願いするのも、定価7000円くらいのワンピースを2000円くらいでゲットするのも、全部違った楽しさがあって、どれも好きだ。
ちょうど今日、ずっと再入荷を待っていた型番が入っていたので思いきって買ったネイルが届いた。手持ちで一番高価なネイルが無印良品だった私にとってはわりと思いきって衝動に身を任せた方に入る。届いて、どこにもいかないのに塗って、一日中眺めている。本当に一日中眺めている。指先に色がついていると気が散るからと、二年前くらいまではネイルを嫌っていたというのに、正直今は今日買ったシリーズ全部ほしい。
自分の身体で好きなパーツが手と耳と背面の肋骨なので、本当に楽しい。三ヶ月に一度くらいしか塗らないくせに。
物欲以外にも消費欲は強い。美味しいご飯を探すのも楽しいし、今はゴッホ展とデザインあ展に行きたいし。
ハムスターの回し車より直径の小さいちんけな回転でよくここまで胸を張れるものだ。いつかは土星の輪くらいのスケールで経済社会を手玉にとってみたいものである。
物欲で発電できたらいいのにな。以上です。
そして私は喫茶すみっコに履歴書を出す
見てきました、映画すみっコぐらし。もともと世間で話題になる前から映画をアピールしてきていたとかげ過激派に同行するつもりではいたけど、数々のレビューに興味が湧いた人も多いだろう。
映画館に行って驚いたが、パンフレットはおろかグッズすらお弁当箱ひとつしか残っていなかった。他の映画のグッズコーナーに対し、すみっコぐらしだけ焼け野原である。バズり効果がすごいのか、もともと楽しみにしていた子供やすみっコぐらしファンが過激なのかわらないけど。
ここからは感想という形式上、極力物語の核心には触れないようにするがうっかりネタバレになるかもしれないし、勘のいい人ならだいたいどんな物語かわかってしまうかもしれないので少しでも現時点で見に行こうと思っている人はまず映画を見に行くといいんじゃなかろうか、と思います。ネタバレを踏みたくないなら感想なんて見てないでチケットを取るのがおすすめ。
まず最初は各キャラの紹介が簡単にされるのですみっコぐらし未履修者でもすぐ理解できる親切設計になっている。メインすみっコだけでなく、サブキャラのみにっコたちに至るまで丁寧に教えてくれる。つかみは劇場版名探偵コナンのそれと完全に同じ。むしろ子供がメインターゲットなうえに詰め込むエピソードがそこまでないため、きれいにまとまっていてコナンより優秀だといえる。
とりあえず完膚なきまでにかわいい。そこまですみっコぐらしファンというわけではない私もにやけてしまうほどにかわいいので、隣からはとかげがキュートな仕草を見せつける度にオタクの吐息が漏れだしていた。二次元の極みのような太い輪郭線にもかかわらず、すみっコたちが確かな立体感と存在感を持ってそこに「いる」。
ディテールがすごい。たとえば、とんかつやえびふらいのしっぽは揚げ物という性質ゆえに、他のすみっコたちと違い「シャリッ」と少し硬質な衣の質感を感じさせる足音をたてて歩く。水に入るシーンでは泳げるとかげ、しろくま、ぺんぎん?は迷いなく飛び込み、泳げないねこたちは躊躇する。そこまでする!? というくらいこだわりが詰め込まれているのがわかる。
あとおばけが口を開くと牙のような八重歯があるの知ってましたか? 私はぜんぜん知らなかった。推します。
すみっコたちのお気に入りのカフェ、「喫茶すみっコ」では壁にバイト募集の広告やおすすめメニューが貼られていて、イチオシが"いつもの"コーヒーというコーヒーだということがわかる。つまり喫茶すみっコでは、はじめてのお客さんでも「いつもの」というだけでオーダーが通る憧れのアレが許されているのだ。大人のキッザニアか?
っていうか喫茶すみっコで働きたい。就職先にしたい。時給どんぐり3個とかでいいから。お願いだから喫茶すみっコに就職したい。毎日出勤するから。お願い。雇ってくれ。まめマスター!!! 聞いてるか!!! 雇ってくれ!!!!
子供たちだけでなく大人もくすりとしてしまう演出もちりばめられている。船の穂先でタイタニックごっこをするすみっコたちに「やるよね~」と優しい声でナレーションのいのっちが同調するが、タイタニックを暗黙の了解にするな。子供わからんやろ。
一瞬も作画崩壊が許されないかわいさに溢れた画面が、ラストまで安定して続く。好きな人にはそれだけで見る価値はあると思う。
しかしこの映画の真価は物語の構成にある。巧みに張り巡らされた伏線、ひとりぼっちのひよこの正体、ページをまたぐと世界が変わる仕掛け絵本の世界を股にかけるすみっコたちの大冒険、怒濤の伏線回収と少し切なくとびきり優しいラスト、そしてあたたかなエンディング……。死ぬときはこの世界で死にたい。
そしてだいたいどうなるかわかっても涙腺を刺激する仲間たちとの思い出の回想。どこかで見たことあると思ったらセーラームーンRじゃねえか。セーラームーンの「うさぎちゃん……!」のシーンが刺さった人には絶対に刺さる。
終盤には劇場のあちこちからすすり泣きの声が聞こえた。後ろに座っていたひとりできていたお兄さんも、子連れのお母さんも泣いていた。隣を見ると同行者が一番泣いていて笑ってしまった。
考えてみれば、すみっコたちの境遇は少しずつ切なさを帯びている。寒さに耐えることができず北から逃げ出したしろくま、自分の正体がわからず自分探し中のぺんぎん?、恥ずかしがりやで気弱で隅っこすら譲ってしまい自分の行き場がなくなるねこ、食べ残され誰にも食べてもらえないとんかつ、実は恐竜の生き残りで見つかると捕まってしまう、種族的にもひとりぼっちのとかげ。
絵本の世界をさまよい仲間を求め、寂しさに涙を流すひよこの境遇とそれぞれリンクするところがある。彼らが「居場所が見つかるといいね、ひとりじゃないよ」とひよこを励ますのは、そのまま彼ら自身に向けてのメッセージになる。切なさと満たされなさを抱えながらも、すみっコたちは日々楽しく、のんびりくらしている。私たちが本当に欲しいのは、逃げ出した先でも楽しく、幸せに過ごす適応能力ではないだろうか。ここで、梨木香歩『西の魔女が死んだ』で魔女が不登校の孫に語った言葉を引用したい。
「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。」
つまりは、そういうことである。
北海道食い倒れ紀行
3泊4日で北海道に行きました。そこで食べたうまいものを紹介します。当たり前のように全部美味しいので、なるべく美味しいという言葉は使わないようにします。
長時間の運転と荷物持ち、道案内を引き受けてくれた同行者に愛を込めて。
1.スープカレー
絶対に食べようと思っていたスープカレー、今回はSuage+というお店に行きました。海外からの観光客が多かった印象。
注文したのはパリパリ知床鶏と野菜カレー。もう名前だけで美味しい。他にも気になるメニューがたくさんでした。
鶏肉は一度炭火で焼いているようで香ばしい。野菜もごろごろ入っていて、どれもすごく甘い。私は人参が得意じゃないのですが一本の四分の一くらいごろっと入っていて、義務感だけで片付けようとしたんですが、めちゃくちゃ美味しかった。土臭さや嫌な甘みはなく、食べやすいのにしっかり味がある。じゃがいもとか一瞬サツマイモ?と思った。どれもスープカレーのスパイシーさと調和して美味しい。
ご飯も赤米がブレンドされた特性のもの。シンプルだけどおいしい。レモンをかけるとさっぱりした酸味が加わって味に奥行きが出ました。
2.ラベンダーソフト
中富良野の富田ファームにて。人工的な甘さとラベンダーの香りで脳が若干混乱しました。きれいな薄紫色がかわいい。鬼のように溶けるので注意。
3.ハーフ&ハーフピザ
富良野チーズ工房にあるピザ工房で焼きたてをいただきました。毎日食いて~~。
半分は王道のマルガリータ、もう半分はオニオン。唐辛子オイルやハチミツソースをお好みでかけ放題。なんといってもチーズが最高、のびるモッツァレラの描く軌跡はなぜこんなに美しいのか。
窯でピザを焼いているおじさまが接客してくれたのですが、落ち着いているのにユーモラスで素敵な方でした。
同じく富良野チーズ工房にあるミルクアイス工房にて。
ハスカップとはなんぞや?とググったところ、北海道で有名な果実らしい。ベリー系のさわやかな酸味。しっかりミルクの甘さと濃厚さもありました。
他にも王道ミルクやメロン、アスパラガスジェラートなんてのもありました。食べたかったけど胃腸弱々ちゃんなためダブルは断念。
同行者の食べたチーズソフトもすごく濃厚で美味しかった。何よりフォルムがよすぎる。
5.ラーメン、チャーハン
行列に並び、有名店、信玄さんにて味噌ラーメン。
味噌ラーメン、普段はまあ頼まないしあまり美味しいイメージがなかったのですが、コクがあるのにくどくなくて、絶品だった。長蛇の列にも納得。
あとチャーハンを頼んで同行者と分ける。すぐ「取り皿いりますか?」と聞いてくれてありがたかった。まあ厨房でにーちゃんがでかい鉄鍋振り回して作ってるチャーハンが美味しくないわけない。パラパラで香ばしくて、今まで食べたチャーハンで一番好きかもしれない。あまりよそでチャーハンを注文することがないというのもありますが。
6.うに丼&活うに
積丹半島まで足を伸ばして念願のうに丼。人気店である中村屋さんに。ジャスト昼時に着いたので2時間待ちくらいは覚悟していたのですが、運よくほぼ待たずに座れた。料理の到着もスピーディー。
今までうに丼を食べたことがないので、自分のとった写真を見返してはビジュアルのインパクトに笑ってしまう。
活うに、これから食べるというのにとげを元気にうにうにさせていて、この上なく生命でした。食物にここまで生を感じたのは初めてです。怯えながら割り、スプーンを突っ込む。これを初めに食おうとした人、頭いかれてる。
とにかくクリーミーで、丼に乗っているものより以外と淡白め? あとうにの内部をはじめて見た。血合い?的な茶色いゼリー状のなにかの奥に、あのお馴染みの黄色い身が隠れている。ほんとになんでこれを食おうと判断したんだ。すごすぎる。
あと核みたいなのがあって("コア"じゃん……)と思いました。何言ってんの?
大量のうにを食すことなどないので、最後のほうでしんどくならないか、味に飽きないかなど懸念していましたがとんだ杞憂でした。美味しいという記憶だけ残してするりと消えてしまった。いい女かよ。
生臭さなどはなく、うにの味が甘めの出汁醤油とよく合う。本当に美味しかったし、経験としても面白かった。
7.カレーパン
小樽の屋台のカレーパン、迷いに迷って白いカレーなるものをチョイス。じゃがいもとコーン、チーズがたっぷり。カレーなんだけどカレーのスパイシーさは控えめでマイルド。シチューっぽかった。揚げたてあつあつを提供してくれたので、パン部分も美味でした。
8.六花亭のシュークリーム
一個100円で、買うと二階のカフェでコーヒーが無料に。残念ながら閉店時間が近く、カフェスペースにお邪魔はできませんでした。しっとりした生地に濃すぎずあっさりすぎない適度な甘さのカスタード。これだけ写真とる前にかじっちゃった。
9.ジンギスカン
ジンギスカン、そんなに好きじゃないけどなと思いつつも、北海道に来たからには食べたいと札幌駅前の松尾ジンギスカンに。特上ラム肉、ラム、マトン、ハツの四種類を食べ比べできるセットを注文。前言撤回します。めちゃめちゃうまい。
私が今まで食べていた羊肉はなんだったのかと思うほど臭みがない。どれもそれぞれ美味しいけどやっぱり特上ラム肉が一番よかった。柔らかいのに脂っこくなく、薄い訳じゃないのにさっと焼くだけで火が通る。
野菜を煮た後のタレに絡めた〆のうどんには、お店にある七味にんにくなる調味料をかけるのが好きだった。
食べ放題ではないけど、ご飯にお味噌汁、ドリンクもついて量的には大満足。私はアルコールにげろ弱ですぐ地獄をみるのですが、それはそれとして飯と一緒に飲むビールは好きなのだ……。ジョッキ半分飲んで同行者に進呈しました。
どれも非常に美味しかった。食べたいものを食べたいだけ食うというコンセプトに添った有意義な旅行でした。でも疲れたので当分遠出はいい。インドア人間の3年分のキャパくらいを使ってしまったのでしばらく金銭と一緒に気力貯金をはじめます。
最後にひとつ、どうしても許せない不満があるので聞いてください。北海道はでかすぎるし遠すぎるのでもうちょっと縮んで。以上です。
虚偽日記、2018
夏が近づいてきたので、過去に書いた日記を再掲します。
経緯
あまりに自堕落な一日の過ごし方をしてしまい虚しくなってきたので今日から虚偽の夏休みの日記をつけます
8/12(日) 公園のベンチで、潰れた蝉を見ながらかき氷を食べた。食べるのがとろいので後半は青くてやたら甘い液体を飲むはめになってしまい、嫌になってこっそり潰れた蝉にプレゼントした。
8/13(月) 朝早ければ人が少ないと期待して、朝から十年ぶりくらいに緑地公園のプールに行った。私が朝だと見なしている時間帯はさして早くもなかったようで、ちびっこたちが我が物顔ではしゃぎ回っていた。流れるプールでしばらく流されてすぐ帰った。
8/14(火) 大人の花火大会と称して線香花火を燃やした。国産の高級なやつもちょっとだけ燃やした。地面と垂直ではなく斜め45度くらいが一番長持ちするというのは本当だろうか、試したけど常に手先が震えているのかあまり差はわからなかった。
8/15(水) 窓際で本を読んでいると、ふと煙草の匂いがした。うちに煙草を吸う人はいないし、外に人の気配もなかったのに。なんとなく私が子供の時に亡くなったおじいちゃんの事を思い出した。
8/16(木) 大きなスイカを丸々一玉もらった。つやつやで綺麗だ。うちでスイカを好んで食べるのは私だけなので、本気を出さなければいけない。これからみずみずしい日々が始まる。ちなみに塩はかける派。
8/17(金) 涼しい日だったので久しぶりに日中に散歩をした。犬もたくさん散歩していた。どうして犬はあんなに嬉しそうな顔をして歩けるのだろうか。見習いたい。
8/18(土) 早起きして古本屋で2冊本を買い、そのまま喫茶店に入ってアイスコーヒーを頼み、読書をした。ちょっとした背伸びである。1冊は面白かったけど、もうひとつはあんまり好みではなかった。
8/19(日) 風が気持ちよかったので昼寝をしたら変な夢を見て飛び起きた。あまりよく覚えていないけど、くまのぬいぐるみたちが山奥の小屋でサバトをひらいていて、「ぽ ふぴる まむほふへ」などと謎の言語で話をしているのを隠れて聞いていて洗脳されそうになる夢だった。
8/20(月) せっかく数年ぶりに学校指定以外の水着があるのだからと遠いプールに行き、狂ったようにウォータースライダーに乗った。えっちらおっちら階段を登り一瞬で滑り落ちる行為を繰り返し続け、人生がなんのためにあるのかわからなくなってきた。
8/21(火) 突然晴れているのに雨が激しく降ったので楽しくなって外に出た。びしょびしょになった。すぐ止んで虹が出た。ちょっと鼻がつまっているので、もしかすると風邪を引いたかもしれない。
8/22(水) 案の定熱が出た。幸い微熱だったので漫画を高層ビルのように枕元に積んで延々読んだ。一回崩壊してえらいめにあった。
8/24(金) 無事全快。昨日の話はだいたい一昨日と同じなので割愛。友達に呼び出され、何故か缶ビール片手に夜の河川敷を歩いた。秋の気配はどこへやら、とにかくあつい。
この日記はすべてフィクションです。記載している登場人物は現実とは一切関係ありません。